スフォルツェスコ城

スフォルツェスコ城ミラノ

所在地: イタリア共和国ロンバルディア州ミラノ県ミラノ

概要

　スフォルツェスコ城は、ミラノにある建物。
　１４５０年にミラノ公フランチェスコ１世・スフォルツァが、破壊されたポルタ・ジョヴィア城の再建を開始した宮殿兼城塞。
　１４５２年にフィラレテが雇われ、軍事建築家バルトロメオ・ガディオに引き継がれる。ガレアッツォ・マリーア・スフォルツァの代にはベネデット・フェルリーニが担った。
　建設の間には壁画が描かれ、ボニファチオ・ベンボーらが礼拝堂を装飾した。
　１４７６年、ボーナ・ディ・サヴォイアの塔が建てられる。
　１４９４年にルドヴィーコ・イル・モーロが権力を掌握すると、スフォルツェスコ城は当時ヨーロッパで最も裕福で豪華な宮廷の１つとなる。レオナルド・ダ・ヴィンチやブラマンテを招聘し、内部の装飾にあたらせた。
　その後フランス軍やドイツ軍の攻撃にさらされ損傷するが、フランチェスコ・マリーア・スフォルツァがミラノ公に復権すると再構築して拡大し、一部を妻のクリスティーヌ・ド・ダヌマルクの豪華な住居とした。

フィラレテの塔　Torre del Filarete

　１４５２年にフィラレテによって建てられた塔。ルドヴィーコ・イル・モーロ失脚後はフランス軍の武器庫として使用されていたが、１５２１年誤って爆弾を爆発させてしまい、崩落。ルカ・ベルトラミによって１８９０年から始められたスフォルツェスコ城再建中に１６世紀の図面に基づき修復され、１９０５年に完成。

中庭　Corte Maggiore

　フィラレテの塔をくぐって入ったところはかつて練兵場だった中庭である。胸間城壁や見張り塔など、一般的に城という語から連想する優雅なものとは違って、いかにも要塞らしい無骨で堅固な造りである。

ロッチェッタ　La Rocchetta

カステッラーナ塔　La Torre Castellana

　ロッチェッタの北東にカステッラーナ塔がある。

宝物の部屋　La Sala del Tesoro

　カステッラーナ塔の地階に宝物庫がある。

礼拝堂　Cappella Ducale

建設: １４７２年
設計: ベネデット・フェルリーニ
施主: ガレアッツォ・マリーア・スフォルツァ

　ガレアッツォ・マリーア・スフォルツァの命により、１４７２年ベネデット・フェルリーニが建設。ヨーロッパ中から集められた２２人の声楽家を迎えるため、ボニファチオ・ベンボー、ヤコピーノ・ヴィスマーラ、ステファノ・デ・フェデーリらが、１４７３年３月から５ヶ月未満で急ぎ壁画を描いた。
　修復され、当時のまま唯一残っている貴重な壁画である。

　天井の中央では、天使に囲まれた父なる神に向かって復活したイエス・キリストが上昇しているように見える。墓の衛兵は珍しい描かれ方で、復活の瞬間眠る代わりに、一度宙に浮いて地面に落ちたかのような奇妙な姿勢をしたり、奇跡に驚いている様子が描かれている。この図像は少し後のサン・ドナート教会の天井画にも繰り返されている。